2020年10月30日
【タイルの知識】押さえておきたいタイルの基本「目地について(前編)」
目地とは
タイルを配置するときの隙間の継ぎ目のことです。
目地にはモルタルやシーリングなどの目地材という充填剤を詰めて仕上げます。
隙間を埋めることで、耐久性や吸水性が高まりますし、見た目も美しく仕上がります。
目地を入れずに施工すると…
土を焼いて成形するタイルは、どうしても寸法に差が生まれてしまいます。
また、施工する際も、表面に段差が生まれるなど、多少の誤差が生じます。
目地を使わずにタイルを付きつけて施工するのは難しいため、これらの誤差を目地で調整します。
また、外部からの水やホコリなどの侵入を防ぐ役割もあります。
タイルのある空間を永く楽しむためには、目地は必要不可欠です。
代表的な目地割り
目地にはたくさんのパターンがあります。
皆さんも一度は目にしたことのある目地も多いのではないでしょうか。
【通し目地(いも目地)】
【馬踏み目地(破れ目地)】
【四半目地】
【イギリス張り】
【フランス張り】
【アメリカ張り(フランス型)】
【やはず張り(ヘリンボーン)】
目地詰め方法
目地を詰める方法として、「塗り目地」「一本目地」が挙げられます。タイルの種類や材質によって使い分けます。
塗り目地
一般的なタイルの目地詰め方法。ゴムコテを使って目地材をタイル全体に伸ばし、表面に付着した余分な目地材をスポンジやタオルで拭き取って仕上げます。
一本目地
ブリックタイルなど、表面がごつごつしているタイルなどには一本目地を使用します。パックに入った目地材を目地に注入し、押し込んで詰めていきます。
目地材の種類
セメント系目地材
一般的な目地材で、内装・外装ともによく利用されます。
カラー目地材
カラー目地は、モザイクタイルやガラスモザイクと組み合わせることで、空間の印象をガラリと変えます。耐水性の高いものや防カビのものもあります。
ブリック目地材
レンガや外壁タイルなど、幅の広い目地詰めができる粗い素材が配合されています。
弾性目地材
振動に耐えるため、適度なしなりを持つ目地材です。木下地や床暖房仕上にも適しています。
エポキシ目地材
モルタル目地に比べて吸水率が低く、汚れに強いため、キッチンの背面壁や床暖房仕上げにも使用できます。
空間の印象を変える「目地」
今回は、タイルを語るうえで欠かせない”目地のキホン”をご紹介しました。
後編では、実際に目地詰めの手順もお伝えしますのでお楽しみに!