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2020年06月29日

【タイルの基礎知識】そもそもタイルって?知っておきたいタイルの基本

外壁や床、浴室、キッチンと外装だけでなく内装まで幅広い場所で活用されるタイル。今回は、タイルの特徴やタイルの種類、タイルの魅力など、タイルの基礎知識をご紹介します。まずは、タイルのキホンを学びましょう!

※画像はWebサイト「名古屋モザイク工業」より

https://www.nagoya-mosaic.co.jp/Installation/winner_shop.html

タイルって何?

◎タイルの名称

タイルとは、焼きものでできた薄板のことを指し、建物の壁や床、屋根などの外装、最近ではキッチンや浴室などの水廻りをはじめとした内装など、さまざまな部分で利用されるようになってきました。

英語の「TILE」は、ラテン語のテグラ(覆うもの)からきています。日本では、大正11年に東京で開催された「平和記念東京博覧会」でタイルという名称でよばれるようになりました。それまでは敷瓦、腰瓦、壁瓦、化粧れんがといった名前で呼ばれていたようです。

◎タイルの類似素材

タイルに似た素材として「れんが」、「テラコッタ」があります。レンガは積み上げて柱や壁をつくり、レンガそのものが建物の構造体になります。

一方、テラコッタは、建築では建物の内外壁に貼り付ける装飾を施した、板状や凹凸の大きな立体のことを指します。テラコッタはタイルよりも大型で重さもあるため、引き金物やボルトなどを使い、躯体に固定する特殊な施工技術が必要になります。

タイルの特徴や魅力は?

陶磁器質タイルは、建築仕上げ材として優れた性能を持ちます。

◎意匠性

好きな色が出せ、成形も容易。バリエーションも豊富で、さまざまな質感が表現できる。

◎耐久性

紫外線に強く、変色・退色しない。正常に加工されていれば、耐衝撃性も強く、親水性があるため汚れにくい。酸やアルカリなどの薬品にも強く、傷もつきにくい。

◎物性

高温で焼き上げるため、耐熱性も強い。断熱性はコンクリートと同程度。水を通しにくい。
ただし、吸音性能や遮音性は低い。

◎メンテナンス

汚れはつきにくく、ついても落としやすい。
細菌やカビが繁殖しにくく、清掃のために薬品も使用可能。

歴史ある焼きものの技術を受け継ぎ、さまざまな風合いやカタチ、色彩や質感を表現します。さらに、貼り方によって他の材料にはない意匠性を持ちます。

※画像はWebサイト「名古屋モザイク工業」より

※画像はWebサイト「名古屋モザイク工業」より

タイルの種類について

タイルには、「釉薬の有無」「成形方法」「吸水率」の3つの区分方法があります。
また、「用途」による分類もあります。

◎釉薬の有無

施釉タイル…粘土や顔料などを水に混ぜた液体「釉薬」を塗布し、表面がガラス化したタイル。
無釉タイル…釉薬を施さず、素地がそのまま表面となるタイル。

◎成形方法

押し出し成形…含水率の高い素地原料を、押出成形機によって板状に押し出し、所定の形状や寸法に切断して成形する方法。

プレス成形…細かく粉砕された含水率の低い素地原料を、高圧プレス成形機を使って、】所定の形状や寸法に成形する方法。

◎吸水率

吸水率によって下図のように分類されます。
これは素地の粗密や気孔の目安になりますが、外装への使用可否や耐凍害性への判断基準にはなりません。

タイル吸水率リスト

◎使用用途

▶内装壁タイル

内装壁タイルには、さまざまな形状・寸法のものが使われます。
端っこやコーナー部分の「役物」の品揃えは商品によって異なります。

▶内装壁モザイクタイル

モザイクタイルとは、1枚の表面積が50c㎡以下のものを指し、10mm角、15mm角など、さまざまなサイズの他、丸モザイク、六角形、変形モザイクなどバラエティー豊かな形状があります。

▶内装床タイル

内装床タイルには、100mm角のものから、600mm角を超える大型のものまであります。

▶外装壁タイル

小口平、二丁掛など、さまざまな形状があります。これはレンガのサイズに由来し、近年では600mmを超える大型サイズのタイルも生産・販売されています。

▶外装壁モザイクタイル

50mm角、50mm二丁が主流で、ほとんどがマンションの外壁に利用されています。施工効率を高めるために、紙貼りユニットで使用されることがほとんどです。

▶外装床タイル

外装床タイルには、100mm角のものから、600mm角を超える大型のものまであり、滑り防止を考慮し、ラフな面状のタイルが用いられます。階段部分に用いる「階段タイル」「たれ付き階段タイル」などの役物も。

■奥深いタイルの世界へ

今回は、タイルの基本的な知識をまとめましたが、タイルの魅力はまだまだ奥深いもの。

これからもさまざまな知識をお届けしていきますので、お楽しみに!

※画像はWebサイト「名古屋モザイク工業」より

※画像はWebサイト「名古屋モザイク工業」より

https://www.nagoya-mosaic.co.jp/pickup/column/vol1.html

参考

・INAXパンフ「タイルの知識」
・全国タイル業協会 「タイル手帖」

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